培養表皮角化細胞における骨成長因子・BMPファミリーの発現とその誘導について調べ、以下の結果を得た。培養表皮角化細胞は主にBMP 2メッセンジャーRNAを発現し、BMP 6メッセンジャーRNAも誘導しうることがわかった。BMP 2については蛋白合成と培養液中への分泌も確認した。蛋白合成・培養液中への分泌はメッセンジヤーRNAの発現量に比例しており、BMP 2の表皮角化細胞における発現は、転写レベルで調整されていると考えられた。 表皮角化細胞をBMPで刺激すると、BMPは濃度依存的に表皮角化細胞の増殖を抑制した。このときの表皮角化細胞の細胞周期を調べると、G0/G1期に集中していた。また、BMP添加により表皮角化細胞は形態変化を起こしており、このときに表皮角化細胞の分化に伴い発現する遺伝子を調べると、分化の早期に誘導される遺伝子が増えていた。これらのことから、BMPは表皮角化細胞の分化を誘導することが示唆された。
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