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2001 年度 実績報告書

血管塞栓物質・高吸水性ポリマーを用いた動脈塞栓術による腫瘍性疾患治療の新たな展開

研究課題

研究課題/領域番号 13770504
研究種目

奨励研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

大須賀 慶悟  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90332741)

キーワード動脈塞栓術 / 塞栓物質 / SAP-microsphere / 腫瘍性病変 / 肝細胞癌
研究概要

動吻実験においては家兎血管を用いて新しい塞栓物質高吸水性ポリマーの塞栓効果の検証を行った。本ボりマーは均一な粒子径の球形樹脂の特徴により、個々の粒子径に相当する末梢血管に到達し血管腔を隙間なく占拠する形で完全な閉塞を果たした。血清吸収による粒子の膨潤は血管壁を圧迫するが血管形状に一致して柔軟に変形し血管壁破綻は認めなかった。粒子周囲血管壁の反応は乏しく生体刺激性を示すものではなかった。特に腎動脈塞栓術においては従来の塞栓物質PVA粒子(250-300μm)、ゼラチンスポンジ片(500-1000μm)との比較を行い、従来群は形状不整や粒子径不揃いのため、互いに凝集し腎動脈本幹レベルで近位部閉塞を示した一方、本ポリマーは弓状〜小葉間動脈レベルに到達し腎全体に均一な粒子分布を示した。腫瘍モデル作成は、肝は開腹下、腎は経動脈的、大腿は経皮的アプローチにてVX2細胞浮遊液注入により行い、2-3週間後血管造影にて腫瘍血管増生を確認した。
臨床応用として、肝細胞癌、頭頚部・骨軟部腫瘍、子宮筋腫を標的として化学療法剤を併川しない本ポリマー単独による塞栓術を行った。塞栓後痛は生体低刺激性を反映して軽微な傾向を示した。結節型肝細胞癌では画像評価及び切除標本においてほぼ完全な腫瘍壊死を確認した。頭頚部・骨軟部腫瘍では術前塞栓術により術中出血量の低減を得たほか、周囲軟部組織の炎症性変化が乏しく手術操作を容易にした。子宮筋腫症例では月経困難症・出血過多など有症状例に子宮動脈塞栓術を行い症状改善及び筋腫の縮小を得るなど、多血性の良・悪性腫瘍性病変における良好な塞栓効果と安全性を確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大須賀慶悟, 堀信一, 村上卓道, 中村仁信: "新しい塞栓物質SAP-microsphere"日本臨床「肝癌の診断と治療」. 増刊号. 534-538 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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