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2002 年度 実績報告書

肥大心の進展過程における心筋及び血中脂肪酸代謝障害に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13770515
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

中村 智樹  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60326238)

キーワード肥大型心筋症 / カルニチン / 心筋構築異常
研究概要

18週齢の正常ラット(WKY/Izumo)、高血圧ラット(SHR/Izumo)、肥大型心筋症ラット(KY/NCrj)各5匹を対象とし、肝臓・心筋・血漿・尿中のカルニチン濃度をTandem mass spectroscopyにより測定した。肝臓カルニチン濃度は各群間で差はなかった。心筋カルニチン濃度は肥大型心筋症ラットで正常・高血圧ラットに比し有意に低下した。血漿カルニチン濃度は肥大型心筋症ラットで正常・高血圧ラットに比し有意に高値を示した。尿中カルニチン濃度も肥大型心筋症ラットで最も高値を示したが、尿中/血漿カルニチン濃度比は各群間で差はなかった。
カルニチンの代謝経路は肝臓で合成され、腎臓で排出される。肝臓・腎臓におけるカルニチン代謝は各群で差がないことから、肥大型心筋症ラットにおける血中カルニチン濃度上昇は心筋でのカルニチン代謝異常を反映していることが推定された。そこで、カルニチンの血中から心筋への取り込み機序について検討を行った。上述の正常ラット、高血圧ラット、肥大型心筋症ラットを各々5匹を対象にC14-L-carnitineを尾静脈より投与し、30分後に心臓を摘出、オートラジオグラフィにて集積の程度、心筋部位における差を比較した。その結果肥大型心筋症ラットでは正常ラット、高血圧ラットに比しC14-L-camitineの集積が低下していた。さらに、心筋の部位別集積については肥大型心筋症ラットにおいて左室と右室が接合する部分、すなわち前壁中隔接合部、後壁中隔接合部においてC14-L-camitineの集積が特に低下しており、同時に行った組織学的検討での心筋線維の錯綜配列と一致していた。
以上のことから、心筋構築異常(心筋線維の錯綜)が原因となりカルニチンの血中から心筋への取り込み異常が肥大型心筋症における血漿カルニチン濃度を反映していると考えられた。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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