Elマウスをジアゼパム投与群(ジアゼパム2mg/kg腹腔内投与)、ジアゼパム投与群(ジアゼパム8mg/kg腹腔内投与)、非投与群の3群に分類した。コントロール群にddYマウスを用いた。各群の匹数をそれぞれ10匹とし、合計40匹に前庭刺激を施行した。前庭刺激は週齢5週から週齢19週まで約30cmの放り投げを10回と設定し、週に1度行った。週齢20週の時点で、^<125>I-iomazenil(0.1MBq)を静注し、3時間後に解剖した。大脳を摘出したあと、20μmの冠状断の切片をイメージングプレートに張り付け、1週間曝射した。Autoradiographyにより、局所放射能量を求め、投与量との比であるStandardized uptake value(SUV)を算出した。前庭刺激に対するてんかん発作頻度は、ddYマウス群で0/10、Elマウス非投与群で10/10、Elマウス群(ジアゼパム2mg/kg腹腔内投与)で2/10、Elマウス群(ジアゼパム8mg/kg腹腔内投与)で0/10であった。側頭葉のSUVはddYマウス群に対して、Elマウス群で有意に低値を示した。Elマウス群のSUVはddYマウス群の約70%であった。視覚的評価でも定量的評価でも明らかな左右差は認められなかった。Elマウス群に限定した検討では、ジアゼパム投与群と非投与群では、非投与群で有意にSUVの低値を示したが、ジアゼパムの投与量による差は認められなかった。
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