1.初代培養肝細胞を用いたin vitro study (1)抗癌剤単独処置の正常肝細胞の感受性をシズプラチンを用いて検討した。 検討方法としてmicronucleus assayを用いた。シスプラチンの処置後、正常肝細胞内のMicronucleusの発生頻度(micronucleus frequency ; MNF)が最も高くなるintervalを決定した。シスプラチン(20μM)処理で、処理後36時間でmicronucleusの頻度が最も高くなり、以後プラトーを示した。 (2)放射線照射単独処置の正常肝細胞の影響を検討した。 (1)と同様にmicronucleus assayを用いて検討した。2Gy照射後、正常肝細胞のMNFが最も高くなるintervalを決定した。シスプラチン処理と同様に36時間後で最も高いMNFを示した。 2.Walker256ラット乳癌細胞を用いたin vitro study シスプラチンに対する感受性を検討した。In vivo study(転移性肝腫瘍モデル)に使用する予定であるWaller256乳癌細胞がシスプラチンに対して感受性であるかを検討した。検討方法はコロニー形成法を用いた。シスプラチン20μMの濃度でsurvival fractionが0.05-0.06の値を示し、Walker256ラット乳癌細胞がシスプラチン感受性であることを確認した。 3.Walker256ラット乳癌細胞を用いた転移性肝腫瘍モデルの作成 Walker256ラット乳癌細胞(1.5x10^6cell/0.1ml)を7週齢雌wisterラットの肝左葉被膜下にdirectにinjectionすることによりラット転移性肝腫瘍モデルを作成した。腫瘍細胞implantation後、7-10日後に約10mmの腫瘍が90%以上の成功率で作成されることを確認した。
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