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2002 年度 実績報告書

細胞の老化とX線照射による細胞死に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 13770529
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

前林 勝也  東京女子医科大学, 放射線医学教室, 助手 (60332350)

キーワード放射線感受性 / 細胞死 / アポトーシス / 細胞老化
研究概要

今回の研究では,以前から報告されている放射線感受性を決定する因子の一つである"p53に依存したアポトーシス"のみにとらわれることなく,細胞自体の放射線感受性の違いが何に起因するのかを明らかにすることを目標とした.とくに,照射後の分裂死と形態が似ている老化を念頭においた.
検討に用いた細胞は,p53 statusの異なる種々の細胞株(放射線によりアポトーシスを起こすwild-type p53を有するヒトPNET (primitive neuroectodermal tumor)細胞株,同一起源でwild-type p53を有し照射によるアポトーシスを誘発する卵黄嚢腫瘍細胞株とmutant-type p53を有し照射によりアポトーシスが誘発されにくい卵黄嚢腫瘍細胞株)である.
照射によるアポトーシスを抑制する目的でcaspase-3/CPP32 inhibitorで処理し,アポトーシスの多寡ならびにcaspase-3/CPP32 activityを検討したところ,すべての細胞株でcaspase-3/CPP32 activityは低下し,それに伴い照射によるアポトーシスが抑制され,放射線感受性も低下した.しかし,老化に関連したタンパクの多く(とくにCDK inhibitorの一つであるp21/WAF-1/CIP-1)は,wild-type p53を有する細胞株では照射後の発現増強を認め,mutant-type p53を有する細胞株では照射による発現変化を認めなかった.そこで,p53に依存しないアポトーシスの経路を検討する目的でcaspase-9とMAP kinase(とくにERK)の照射後の発現変化も追加検討したが,ともに明らかな変化は認めなかった.
今回の結果からは,照射によるアポトーシスを抑制した状態でもp53 statusがその細胞自体の放射線感受性に影響している可能性が残された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 石川 仁, 三橋紀夫, 前林勝也, 他: "The effects of p53 status and human papillomavirus infection on the clinical outcome of patients with stage IIIB cervical carcinoma treated with radiation therapy alone"Cancer. 19(1). 80-89 (2001)

  • [文献書誌] 今井礼子, 三橋紀夫, 前林勝也, 他: "Signal transduction pathway to low-dose radiation-induced apoptosis in peripheral PNET cells"Anticancer Research. 22(5). 2741-2747 (2002)

  • [文献書誌] 唐沢久美子, 三橋紀夫, 前林勝也, 他: "Radiotherapy with concurrent docetaxel and carboplatin for head and neck cancer"Anticancer Research. 22(6B). 3785-3788 (2002)

  • [文献書誌] 三橋紀夫, 前林勝也, 他: "集学的癌治療の研究と臨床 加納永一(監修者)"篠原出版新社. 394 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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