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2001 年度 実績報告書

気分安定薬と抗うつ薬の併用によるグリア細胞での神経栄養因子の誘導

研究課題

研究課題/領域番号 13770556
研究種目

奨励研究(A)

研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

井上 雄一朗  奈良県立医科大学, 精神医学教室, 助手 (40326343)

キーワードうつ病 / グリア細胞株由来神経栄養因子 / アストロサイト / 神経栄養因子 / 難治性うつ病 / 双極性障害 / 向精神薬 / augmentation therapy
研究概要

(目的)治療抵抗性うつ病の治療には抗うつ薬と気分安定薬の併用療法が推奨されているが、分子生物学的機序を明らかにする目的で神経栄養因子の一つであるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)に注目して培養細胞におけるGDNFの発現・分泌の変化を調査する。
(方法)C6 glioma cellをDMEM+10%FBSを用いて培養した。リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸、クロミプラミンを単独または併用して培地に加える。経時的に細胞を回収しtotal RNAを抽出した。その1μgからc DNAを作成。Real-time detection PCRによりGDNFmRNAの定量化を行った。GDNF蛋白は細胞から培養液中に分泌されるため12wellプレートを使用して培地0.5ml中で細胞を培養し上と同様に抗うつ薬・気分安定薬を加えて刺激し経時的に培地を回収した。-80℃で保存した後ELISA法を用いて培地中に分泌されたGDNF蛋白を定量した。GDNFの蛋白、mRNAの発現に薬剤の併用が影響を及ぼすのかを比較検討した。
(結果)Hisaokaらが報告したように抗うつ薬単剤刺激でC6細胞におけるGDNFmRNA、蛋白の発現は刺激時間・濃度依存的に増加した。各種気分安定薬単剤刺激ではGDNFmRNA、蛋白発現の変化は認められなかった。抗うつ薬と気分安定薬を併用刺激した場合、リチウムの場合のみGDNFmRNA、蛋白の発現が濃度依存的に、かつ単剤より早期から出現した。
(考察および結語)抗うつ薬によるC6細胞でのGDNF誘導がリチウムの併用でのみ増強されたことは抗うつ薬のAugmentation Therapyの作用機序の違いを示唆すると考えられる。作用機序を明らかにするためシグナル伝達系に対する検討を行っていく予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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