研究概要 |
本計画の遂行にあたり,平成13年度に得られた研究成果および経過は以下の通りである. 1.PKCアイソフォーム特異的活性測定の確立 各PKCアイソフォームに対する特異的抗体を用いた免疫沈降法と合成ペプチド(QKRPSQRSKYL)を基質としたキナーゼアッセイを組合せ,測定系を確立した. 2.酸化LDLによるPKC活性化の検討 (1)培養血管平滑筋細胞を酸化LDLで刺激後,上記アッセイを用いてPKC活性を測定するとともに,PKCアイソフォームの細胞内分布(各アイソフォーム特異的抗体によるWestern blotting),MAPキナーゼ活性(抗リン酸化MAPキナーゼ抗体を用いたWestern blotting)の経時変化を検討中. (2)(1)において,PKC発現・活性を検討中であるが,加えて酸化LDLによるPKCの転写活性の変化を検討するために,PKCβアイソフォームの5'上流域834bpを組み込んだLuciferase reporter vectorを作成し,転写活性の検討を可能にした.すでに,HepG2細胞を用いた基礎的検討(Luciferase assay)を終えている. 3.PON融合蛋白の作成 酸化LDLによるPKC活性化がPONにより抑制されるか否かを検討中.これまでに,大腸菌およびHepG2細胞を用いたPON融合蛋白の作成に成功したが,それぞれ可溶化困難および発現量不足の間題があり,実用化に至っていない.現在,昆虫細胞を用いて同蛋白の作成を試みている.
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