研究概要 |
HLA-A24 high affinity binding motifをxY(F,W)xxxxxxF(L,I,W) と仮定し、MUC1アミノ酸full sequenceで検討した結果、MUC1-1076(MFLQIYKQGGF) とMUC1-1081(IYKQGGFLGL)の2カ所を同定した。いずれも細胞外ドメインのtandem repeatより細胞膜近位に位置していた。これら新規のpeptideに対してtandem repeatであるMUC1-VNTR(TRPAPGSTAPPAHGVTSAPDTRPAPGSTAP) をpositive controlとして用い実験した。A24へのaffinityについては、A24陽性樹状細胞を各のpeptideでパルスした後、A24陽性PBMCをco-cultureし,反応性リンパ球を同様に繰り返し刺激してclone化を試みた。いずれの培養ででもbalkyではあるがcloneが樹立され、A24陽性培養癌細胞へのCytotoxic T lymphocyte(CTL) assayではMUC1-1076,-1081,VNTRそれぞれで44.4%、39.4%、35.7%の細胞障害活性が誘導された。また健常者のA24陽性、陰性PBMCへのpeptideの添加では、リンパ球のproliferationに明らかな傾向はみられなかったが、担癌者においては血清CA15-3(MUC1)が高い患者のPBMCにおいても、さらにMUC1-VNTRでの癌ワクチン施行中の患者でもリンパ球の強いproliferationが認められたことから抗原特異的リンパ球の誘導能を有すると示唆された。(以上第15回日本バイオセラピー学会ワークショップにて発表)今後CTLの完全なclone化と、natural peptideとして作用するかA24陽性cell lineでのCTL活性の検討を続ける。さらにpeptideの混合使用でHLA拘束・非拘束CTLの両者の誘導により細胞障害活性が向上するか検討し、臨床でのpeptide cocktailの適応について検討を続ける予定である。
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