研究概要 |
今年度の本研究の概要は以下の通りである. エーテル麻酔下にLewisラット(雄性8週令)30頭を用いて冬眠誘導因子Delta opioid[D-Ala(2),D-Leu(5)]enkephalin(以下DADLE)投与の相違により以下の4群にわけて検討した. 1 DADLE1mg/kg体重を全く投与しない群 2 DADLE1mg/kg体重を肝臓摘出72時間前、24時間前、肝臓摘出直前に陰茎静脈より投与する群 3 DADLE1mg/kg体重を肝臓摘出24時間前と肝臓摘出直前に陰茎静脈より投与する群 4 DADLE1mg/kg体重を肝臓摘出直前に門脈から投与する群 これらの群を作成し,エーテル麻酔下で肝臓を潅流後、摘出し、4℃のUW液にて保存。保存後、24時間、72時間後に生体微小循環連続観察記録装置にマウントし酸素化したKrebs-Hansleit bicarbonate bufferにて潅流(frow rate3ml/min/kg)し、Dichlorofluorescein diacetate(DCFH)5μmol/l投与と、Propidium iodide(PI)1μmol/l投与後の蛍光画像解析により活性酸素量測定と障害細胞同定を行った。これらのデータは全てビデオ撮影を行っており,現在,データを解析中である.また,同様のモデルで,組織内ATP量を測定した.今後は冬眠誘導因子の投与方法の違いにより,in vitroでの肝類洞壁細胞と肝細胞の冬眠誘導因子による障害の差異を細胞障害アッセイc-fos, c-junのmRNAにより検討するとともにとin vivoでの肝移植モデルでDCFH, PIの投与による灌流モデルで保存障害の差異を検討する予定である.
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