研究概要 |
1.Collagen type IV, matrigel, laminineをセンサーチップに固定化し,MMP-2,-9の分解活性を検討した.MMP-9はcollagen type IVの分解活性を有しているが,laminineに対しては分解活性は弱いことが明らとなった.MMP-2はいずれの基質に対しても強力な分解活性を持つ事がしめされた.matrigelはいずれの酵素に対しても分解を受けることが明らかとなり,浸潤・転移能の評価にはmatrigelが適当であることが明らかとなった. 2.また,食道癌培養細胞株から抽出した可溶化蛋白質でも分解活性を有していることを確かめた.bio sensor chipによる細胞外マトリックスの分解解析法は,腫瘍細胞の浸潤転移能の評価に有効と考えられた(投稿中).本年度の研究実施計画で上げたbiosensor graphyによる細胞外マトリクスの分解活性測定法の確立は100%達成できたものと考える. 3.次年度は従来の浸潤・転移能の研究法であるmatri gelinvasion assayとの相関を,食道癌・大腸癌・脳腫瘍で解析し比較する.分子間相互作用解析装置を使ったinvasion assayの妥当性を明らかにし,その上で内視鏡生検材料のような臨床検体による解析を行う.解析の結果を臨床病理学的事項と比較検討して,細胞外マトリックスの分解能の評価によって,患者の予後予測が可能であるか検討する.
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