研究概要 |
1.ラットKupffer細胞の癌細胞株に対する抗腫瘍効果の証明 ラットよりKupffer細胞を分離し,あらかじめPO-labeled Brduにて標識しておいたJurkat(Fas発現株)およびcolon26(Fas発現未確認)と2〜6時間混合培養した.混合培養終了後,細胞DNAフラグメンテーションELISAキット(Roche)を用いてJurkat細胞株およびcolon26細胞株のApoptosisを測定したところ,細胞株単独培養に比し有意にApoptosisが増加していた.また,4時間混合培養が両細胞株ともapoptosisが強かった.さらに,Kupffer細胞と癌細胞株の混合比は1:0.1がもっとも強いapoptosisiが認められた. 2.Anti-Fas ligand抗体による上記抗腫瘍効果の阻害実験 上記癌細胞株のKupffer細胞によるapoptosisiはanti-Fas ligand抗体添加にてisotypeの抗体添加に比し,有意に低下した.このことはKupffer細胞がFas-Fas ligandシステムを介して癌細胞株にapoptosisを誘導している可能性を示唆していると考えられた. 3.ラットKupffer細胞のFas ligand発現の証明 RT-PCR法およびWesternblottingにてラットKupffer細胞にmRNAおよび蛋白レベルでのFas ligandの発現が確認された. 4.Colon26細胞株のFas発現の証明 Westernblottingにてcolon26細胞株にFasの発現が確認された.
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