平成13年度は、生後0日齢から3か月齢までの隔日齢および6か月齢のウィスター系ラット股関節のパラフィン包埋試料を作成し、成長過程の関節軟骨表層でのコラーゲン分布、軟骨細胞の分裂活性と細胞活性そしてアポトーシスについて観察した。実際には抗I・II・III型コラーゲン抗体、抗カテプシンD抗体、抗Fas ligand抗体、TUNEL法キット、ヒストファインSAB-POキットを用い光学顕微鏡視下に観察するため、免疫組織化学的手法で観察した。 生後5週齢までは関節軟骨の厚い表層全周に旺盛な分裂活性を有する軟骨細胞が存在し、I型およびIII型コラーゲンか今表層が構成されており、軟骨細胞は表層内で分裂増殖し軟骨骨端の成長肥大化を担っている様である。細胞活性旺盛なこの時期、軟骨細胞は1型およびIII型コラーゲンを産生している。 生後6〜7週齢以降の軟骨表層では、軟骨骨端が成熟し成長速度が低減していくにつれて細胞分裂活性が減少するとともに細胞活性は低下しアポトーシスにおちいる結果、細胞は表層から漸減し、産生されるコラーゲンもI型のみとなり、軟骨表層はI型コラーゲンよりなる薄い膨様構造物となる様である。 平成14年度は、さらに軟骨細胞周期を観察するためオートラジオグラフィーを用いて研究する予定である。
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