研究概要 |
日本白色家兎(2,4,6,12,24ヵ月齢)の脛骨近位内側部の非剥離状態の骨膜の組織学的検討を行った。骨膜はcambium layerとfibrous layerにより構成されているが、cambium layer thicknessとcellularityは年令依存性に低下した。特に家兎の骨端線が閉鎖すると思われる6ヶ月齢以降において著明であった。一方、fibrous layer thicknessの年令依存性低下は、cambium layerにおける程有意なものではなかった。さらに、骨膜を皮質骨より剥離採取した際のcambium layerの採取可能な割合は、年令依存性に低下し、12,24ヶ月齢ではcambium layerの採取が非常に困難であり、組織学的にはcambium layerをほとんど認めなかった。ついで、in vitro Organ Culture Model Systemで、骨膜性軟骨形成を組織学的に観察したが、2ヶ月齢において最高であり、後は年令依存性に軟骨形成の低下傾向を認め、特に12,24ヶ月齢では軟骨形成をほとんど認めなかった。IGF-1を投与した際の軟骨形成変化は、2ヶ月齢において最高であった。4及び6ヶ月齢では、IGF-1投与に伴い、若干の軟骨形成の増加を認めるのみに留まった。12及び24ヶ月齢では、IGF-1の投与に伴う軟骨形成の有意な差を認めなかった。以上より、軟骨形成能力のある未分化間葉系細胞を含むcambium layerの細胞数が、IGF-1の影響に関与していると推測された。
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