研究概要 |
昨年度にリドカイン、ブピバカイン(S体、R体)、ロピバカイン(S体、R体)の局所麻酔薬と、alpha-2 agonistのクロニジンとデキサメデトミジンは濃度依存性にテトロドトキシン抵抗性(TTX-R)Na^+ channelを濃度依存性に抑制することが解った。 これらの知見を踏まえ、クロニジンとデキサメデトミジンのラット後根神経節細胞TTX-R Na^+ channelに対するuse-dependent blockをwhole-cell patch clamp法で検討したところ、5Hz,20Hzの刺激を与えると、両薬剤投与下ではuse-dependent blockが増強されることが解った。クロニジンとデキサメデトミジンはTTX-R Na^+ channelを濃度依存性または刺激頻度依存性に抑制し、TTX-R Na^+ channelの不活性化曲線を過分局側に移動させるため、局所麻酔薬と同様な抑制機序を持つことが解った。またリドカインの50%抑制濃度とクロニジン、デキサメデトミジンのそれぞれの50%抑制濃度を混合して投与してもTTX-R Na^+ channelに対しては相加的抑制作用しかないことが解った。 さらに、alpha-2受容体拮抗薬のヨヒンビンはクロニジン、デキサメデトミジンのTTX-R Na^+ channelに対する抑制作用に拮抗しなかったが、ヨヒンビン単独でTTX-R Na^+ channelを濃度依存性に抑制した。 これらの結果の一部はInternational Anesthesia Research Societyの年次大会(フォートローダデール)と日本麻酔学会の年次大会(神戸)で発表し、今後論文作成に向かう予定である。
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