敗血症実験動物による検討;ラット急性肺障害モデルを作成するにあたっては経気管的にLPSを肺内投与し、作成後肺胞洗浄を行い得られた洗浄液を遠心分離し、液性成分である内因性マリファナ様物質ならびに、炎症性サイトカインの濃度、含有蛋白等につき検討中である。肺臓組織標本を作製し炎症所見の有無並びに急性肺障害の程度について同時に観察・評価を行っている。現在まで内因性マリファナ様物質が病状を左右する結果は得られていない。 臨床的敗血症性ARDS患者における検討;集中治療室において臨床的にARDSと診断された患者を対象とし気管支ファイバー下に液性因子のマイクロサンプリングを行い、肺胞上皮周囲組織のepithelial lining fluid (ELF)を回収する。これらの検体から内因性マリファナ様物質ならびに炎症性サイトカインを測定し、臨床的なARDSとの相関関係及び、全身性菌血症、敗血症ならびにショック状態との関連を追求し、予後因子、病態規定因子としての内因性マリファナ様物質のほかHMG1を測定しこの役割につきあらたに、上記動物実験モデルと組み合わせ検討している。
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