平成13年度は主に資料と情報の収集を行なった。情報の元は主にMedlineにおける文献検索を行なった。ただしこのテーマはまだ文献として一般化しているものは少ないので、同時に国内におけるおもだった学会、研究会の学会抄録集における同様のテーマの情報収集を行なった。これらは日本心臓血管麻酔学会、日本循環制御医学会、日本集中治療医学会雑誌、日本救急医学会雑誌、日本蘇生学会誌(蘇生)である。 これらの情報収集から手術中の心停止に対する経皮的心肺補助(PCPS)の使用状況は極めて限られているという実態が分かってきた。しかも、手術中の心停止は手術を行なうどの施設にも発生する可能性があるにも関わらず、経皮的心肺補助(PCPS)は極限られた規模の施設でしか行なえないという問題もあった。これは治療の性質(非常に高度先進医痕)を考慮すると当然であるが、一方で、同様の規模の旅設であっても、担当部署の未整備などからこれらの医療が実践できない可能性も示唆された。したがってこれらの医療の実践には担当医師の能力経験以外に院内のシステムの整備も重要と考えられる。 施行状況はどうかというと、方法は施設により異なり標準的な方法は選択されてはいない。手術中の心停止に対する経皮的心肺補助(PCPS)は日常的に頻回にある医療行為ではない。しかし必要になったときには分単位の極めて迅速な対処を必要とする.これらの問題を解決するためには、知っていて経験している人のみが行なえるという医療行為から、標準的な方法を一般化して教育普及する方が、患者に対する利益還元につながることが考えられた。 したがって今後の問題は、院内システムの整備と方法の標準化を示す事と考えられる。
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