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2001 年度 実績報告書

腎細胞癌発生におけるVHL遺伝子の分子生物学的役割・関与の解明に関する研究:ユビチキン化の新規標的蛋白質の同定

研究課題

研究課題/領域番号 13770891
研究種目

奨励研究(A)

研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

久米 春喜  国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (10272577)

キーワードVHL遺伝子 / 腎細胞癌 / ユビキチン化 / Two Hybrid System / クローニング / Exon2
研究概要

von Hippel Lindau病(VHL病)は中枢神経系Hemangioblastoma、網膜angioma、腎細胞癌など全身に腫瘍を多発する疾患である。原因遺伝子としてVHL遺伝子が近年クローニングされた。VHL遺伝子の変異は同時に散発性の腎細胞癌の約70%においても認められ、腎細胞癌の発生に深く関与している。またその遺伝子産物(以下pVHL)はいくつかのタンパクとcomplexを形成しubiquitin ligaseとして機能することが判明した。
VHL遺伝子は3つのエクソンよりなるが、pVHLはexon3に相当する部分が上記のcomplex形成に関与し、exon1および2に相当する部分の一部が基質を認識する部分であると考えられている。
本研究ではVHL遺伝子exon2に的を絞り、yeastのtwo hybrid systemにより新規の遺伝子をスクリーニングし、同定・クローニングする。Exon2はubiquitin化の基質を認識する重要な部分であり、また実際に腎細胞癌でVHL遺伝子変異の多く認められる部分であるからである。
初年度は、既にexon2の変異が同定されている腎細胞癌培養細胞(NHK124、東京大学医学部泌尿器科で樹立されているもの)よりcDNAライブラリーを作成し、Exon2が正常とされているアマシャムファルマシア社製の正常腎cDNAライブラリーとの比較(Two Hybrid Systemでの結果の比較)により、よりよい候補を検索した。しかしながら、Two Hybrid Systemでの反応が弱く、非特異的で、再現性がまったくなかったため、現在cDNAライブラリー再作成、およびBaitの部分(スクリーニングに使用するVHL遺伝子の一部分)の範囲を1種類でなく数種類に設定し直し、実験を進めている。
一方で、私がフオローしていたVHL病患者のVHL遺伝子変異についてのスクリーニングで興味深い知見が得られた。Exon2に変異を有し、褐色細胞腫を合併したVHL病患者で、腎細胞癌では正常のAlleleがLossし、変異を有するAlleleが残っていたが、褐色細胞腫では変異を有する方のAlleleの脱落が認められた。したがってこの遺伝子変異は腎細胞癌発生に比較的重要な役割を果たしている可能性がある。今後、この変異をも含めたBaitの作成を進めたいと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kume H, Takahashi S, Teramoto S, Isurugi K: "Risk factors for adult renal cell careinoma : a systemic review and implications for prevention"BJC Int. 88. 804

  • [文献書誌] Kume H, Teramoto S, Isurugi K: "In-vivo dedifferentiation of keratinocytes to epidermal stem cells"Lancet. 359. 528-529

  • [文献書誌] Takahashi Y, Nakatsuru Y, Zhang S, Shimizu Y, Kume H, Tanaka K, Ishikawa T: "Enhanced spontaneous and aflatoxin-induced liver tumorigenesis in xeroderma pigmentosum group A gene-deficient mice"Carcinogenesis. (in press).

  • [文献書誌] Kume H, Teramoto S, Kurimoto S, Minowada S, Isurugi K, Kitamura T: "'False'phaeochromocytoma with hypernoradrenalinuria"BJC Int. 88. 803

  • [文献書誌] Kume H, Tachikawa T, Teramoto S, Isurugi K, Kitamura T: "Bilateral testicular tumour in neurofibromatosis type 1"Lancet. 357. 395-396

  • [文献書誌] Teramoto S, Kume H, Fukuchi Y: "Thick mucus hypothesis in cystic fibrosis"Lancet. 357. 1203-1203

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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