10週マウスの平均片側の精嚢重量は45.8mgであり平均前立腺重量は13.1mgであったが6週時に去勢したマウスの9週時の平均片側の精嚢重量は6.5mgであり平均前立腺重量は10.3mgであった.同様に7週時に去勢したマウスの10週時の平均片側の精嚢重量は13.2mgであり平均前立腺重量は8.2mgであった.それに対して6週時に去勢したマウスに去勢時に成熟マウス精巣より分離したLeydig細胞を皮下に注入した場合は9週時の平均片側の精嚢重量は24.2mgであり平均前立腺重量は26.4mgであった.同様に7週時に去勢したマウスに去勢時に成熟マウス精巣より分離したLeydig細胞を皮下に注入した場合は10週時の平均片側の精嚢重量は34.7mgであり平均前立腺重量は33.3mgであった.なお皮下注入部の組織学検討においてLeydig細胞は確認された.以上の結果からは成熟マウスの精巣から分離したLeydig細胞の去勢マウスへの移植は去勢マウスの精嚢の発達を促す機能があることが示唆された.ただし正常なまでの発達に至らなかったのは移植したLeydig細胞数によるものと考えられるので、今後この点についてさらに検討する予定である.今回正常マウスの平均前立腺重量が移植マウスよりも小さく、去勢マウスと差がなかった事については、マウス前立腺の同定は習熟を要するため誤差がでたものと考えているが、今後例数を重ねて再度検討する.またLeydig細胞の機能評価の指標として性ホルモンの測定も行う予定である.
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