シスプラチン感受性子宮頚癌細胞株3種(SKG-I、ME-180、HeLa)およびそれぞれの細胞株を低濃度のシスプラチンで長時間処理することにより作製したシスプラチン耐性変異細胞株(作製済み)を対象とした。それぞれの培養細胞よりPolyA+RNAを抽出し、感受性細胞のRNAをCy3-dUTPで、その耐性細胞のRNAをCy5-dUTPで標識しターゲット溶液を作製した。425種類のヒト癌関連遺伝子のDNA断片が固定化されているDNAチップを用い、それぞれのターゲット溶液でハイブリダイゼーションを行った。その後Affymetrix Array Scannerでスキャンニングし、得られた画像を解析ソフトウエアImaGeneで解析した。各遺伝子スポットにおけるCy3(532nm)およびcy5(635nm)の蛍光シグナルの比率を計算・補正することにより、感受性細胞に比較して耐性細胞で増減している遺伝子発現を検討した。感受性細胞に比較して耐性細胞では、多剤耐性遺伝子、ピリミジン代謝系遺伝子、細胞周期規定遺伝子の幾つかが変化しており、シスプラチン感受性・耐性規定遺伝子の候補として考えられた。今後、術前化学療法を施行した子宮頸癌において検討予定である。
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