抗リン脂質抗体(抗PS抗体、抗CL抗体、抗PE抗体)強陽性血漿・血清と抗アネキシンV抗体強陽性血漿・血清(IgG、IgA、IgM)を所有している。これを用いELISA法にて、反復流産患者および反復体外受精不成功患者の血漿をスクリーニングした。 IVF-ET反復不成功患者と反復流産患者は共に、抗PE抗体IgGと抗核抗体がコントロールに比べ有意に高かった。さらに、IVF-ET反復不成功患者は、抗PS抗体IgGおよび抗CL抗体IgGがコントロールに比べ有意に多く認められた。IVF-ET反復不成功患者は、2回以上の反復流産患者と比べ抗PS抗体IgG(P=0.02)および抗CL抗体IgG(P=0.02)が有意に高く、3回以上の反復流産患者と比べ抗PS抗体IgG(P=0.03)が有意に高かった。2回以上の反復流産患者と3回以上の反復流産患者には有意差は認められなかった。 我々の抗アネキシンV抗体ELISA法はアネキシンVに用量依存性、抗体依存性に反応した。さらに、抗アネキシンV抗体の特異性は、吸収試験とドットプロットで確認した。カットオフ値を非妊婦コントロールの99パーセンタイルに設定すると、抗アネキシンV抗体IgGは反復流産患者の5.5%および体外受精反復不成功患者の8.3%に認められ、この頻度は非妊婦コントロールの1.1%および妊婦コントロールの0%に比べ有意に高かった。一方抗アネキシンV抗体IgAは、反復流産患者の2.1%、体外受精反復不成功患者の0%、非妊婦コントロールの0.6%および妊婦コントロールの0%に認められ、これらの群間に有意差は認められなかった。 アネキシンVを胎盤から精製し、また大腸菌を用いリコンビナントアネキシンVの作製を行った。アネキシンV濃度測定のサンドイッチELISA法を確立した。
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