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2001 年度 実績報告書

外有毛細胞の伸縮運動解析 -原子間力顕微鏡による細胞側壁の硬さ計測結果を基にして-

研究課題

研究課題/領域番号 13770947
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

菅原 路子  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30323041)

キーワード聴覚 / 外有毛細胞 / 原子間力顕微鏡 / 機械的特性
研究概要

内耳蝸牛に存在する外有毛細胞は,生体内において,伸縮挙動により力を発生し,基底板振動を増幅すると考えられている.そして,この伸縮挙動メカニズムにより,我々の聴覚は,鋭敏な判別機能を有すると推察されている.現在の所,外有毛細胞の伸縮挙動メカニズムの源は,細胞膜に存在する蛋白質モータの変形であるという説が有力である.近年,P.Dallosにより,膜電位の変化に伴う細胞側壁の硬さの変化を示唆する報告がなされた.現時点では計測例が少なく,伸縮運動に及ぼす影響も不明である.しかし,これまで構築してきたモデルに上述の結果を組み込むと,より詳細な外有毛細胞の伸縮挙動解析が可能となり,そのメカニズム解明につながると考えられる.
そこで本研究では,初めに,原子間力顕微鏡を用いて外有毛細胞の局所的な硬さを計測した.その結果,外有毛細胞はその長さ方向に沿って硬さが異なり,細胞頂部は中央部および基部に比べて2倍から3倍程度硬く,中央部および基部においては硬さが一様であることが明らかとなった.また,外有毛細胞の長さは,細胞が蝸牛内において存在する位置により異なり,蝸牛基部ほど短く(約30μm),蝸牛頂部に向かうに従い長くなることが知られている(最長約90μm).そこで次に,細胞の長さと硬さの関係を調べた.その結果,短い細胞ほど硬く,長くなるに従い柔らかいことがわかった.
今後は,これまで構築してきた外有毛細胞のシェルモデルに本計測結果を組み込み,細胞の伸縮運動を解析することにより,その伸縮運動メカニズムを明らかにする.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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