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2002 年度 実績報告書

下部延髄における喉頭反射弓の検討

研究課題

研究課題/領域番号 13771001
研究機関久留米大学

研究代表者

福永 博之  久留米大学, 医学部, 助手 (70320231)

キーワード喉頭反射弓 / 下部延髄 / Fos / コレラトキシン / 網様体 / 疑核 / 孤束核
研究概要

昨年と同様の方法でさらに15匹のネコを用いて喉頭の電気刺激を行った標本を作製した。解析は、昨年度に作成した標本を会わせて、喉頭電気刺激標本を20匹、対照標本5匹を用いて行った。上喉頭神経を電気刺激してから声門閉鎖反射が起こるまでの潜時は、7ミリ秒4匹、8ミリ秒4匹、9ミリ秒7匹。10ミリ秒以上が5匹であった。
Fos陽性細胞出現部位は、電気刺激群、対照群ともに延髄孤束核、網様体、疑核、三叉神経脊髄路核に多かった。電気刺激群では、このほかに前庭神経核、迷走神経背側運動核、最後野、外側網様核、後疑核にも出現した。電気刺激群では、刺激側のFos陽性細胞数が、非刺激側と比較して有意に多くなっていた。電気刺激群が対照群と比較して、Fos陽性細胞数が明らかに多かったのは、孤束核、網様体、疑核であった。この3部位でのFos陽性細胞数は、孤束核、網様体、疑核の順に減少していた。
コレラトキシンで標識された甲状披裂筋支配運動ニューロンは、舌下神経核吻側端の尾側よりの部位より、下オリーブ核尾側部の範囲に出現し、疑核内ほぼ中央に散在性に小から中型細胞(短径50μm以下)として認められた。疑核内では、Fos陽性細胞と一致した細胞が認められた。運動ニューロンの樹状突起は疑核背外側方向に伸展し、主に網様体の孤束核腹側部でFos陽性細胞と接触した所見が認められた。
これらの結果から、喉頭閉鎖反射の孤束核から疑核まで至る伝達系路の一つとして、下部延髄網様体の介在ニューロンが作用していることが確かめられた。また、喉頭閉鎖反射には、上喉頭神経を刺激してから喉頭閉鎖が起こるまでの潜時が長い場合があり、下部延髄のみでなく、高位の中枢を介する反射経路も存在すると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 吉田 義一 他5名3番目: "嚥下咽頭期に関わる咽喉頭筋:支配運動ニューロンと筋線維タイプ"口咽科. 12. 269-279 (2000)

  • [文献書誌] Shun-ichi Yonekawa 他4名2番目: "Subglottic airway becomes stable with age in the human infant larynx"Acta Otolaryngol. 120. 444-449 (2000)

  • [文献書誌] Rui Imamura 他4名3番目: "Thyroarytenoid muscle: Functional subunits based on morphology and muscle fiber typing in cats"Ann Otol Rhinol Laryngol. 110. 158-167 (2001)

  • [文献書誌] 福永 博之: "ネコ延髄における喉頭反射弓のFos免疫反応"耳鼻. 47. 22-31 (2001)

  • [文献書誌] 福永 博之 他1名: "急性喉頭蓋炎"医学書院. 4 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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