研究概要 |
1.differential vitreous fluorophotometry (DVF)による血液網膜柵外方透過性機能(Pout)の検査方法の確立 家兎にfluorescein-Naを静脈注射し、改良されたDVF (Fluorotron(TM)Master-2,OcuMetrics,Mountain View) で、硝子体のfluorescein(F)とその代謝産物であるfluorescein monoglucuronide(FG)濃度を測定した。硝子体のFとFG濃度の経時変化を検討した結果、Poutの評価に適した測定時間は静脈注射後3時間であった。 2.F/FG比によるPoutの評価の検討 網膜色素上皮(BRB)に作用し、Poutを低下させることが既に報告されているプロベネシドを用い、Poutを評価した。家兎にfluorescein-Na及びプロベネシドを静脈注射し、DVFでF/FG比を算出し、コントロール群と比較した。F/FG比はプロベネシド群ではコントロール群に比較して有意に増加した。したがって、F/FG比によりBRBのPoutを評価できることが示唆された。 3.アセタゾラミドのPoutへの効果の検討 黄斑浮腫への効果が既に報告されているアセタゾラミドを用い、DVFを用いてPoutを評価した。家兎にfluorescein-Na及びアセタゾラミドを静脈注射し、DVFでF/FG比を算出し、コントロール群と比較した。F/FG比はアセタゾラミド群ではコントロール群に比較して有意に減少した。したがって、アセタゾラミドによりBRBのPoutが増加することが示唆された。
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