SLOは従来の眼底カメラと異なり、共焦点システムで高速走査するため高解像度、高コントラストの画像をリアルタイムにビデオに記録できる。今回システムをそろえ、デジタル化し、存在の確認が難しい移植細胞を数値で評価することの可能性の手ごたえを得た。また、単一波長を用いた無造影所見も数値化すれば萎縮したRPEの病態をさらに今までにはない方法で把握し、膨大な数のretrospevtive画像解析及び我々しか経験しない移植術後眼底の観察と評価の量とスピードを同時に解決できるようにした。SLOコントロールソフトウェアVer.3.0Cを用い、現在使用しいるSLOの任意のビデオソースからの画像をデジタル化してデータキャリアに保存し、最新のハイテク拡張ボードにより、デジタル画像を一枚ずつ記録する。また、圧縮なしのリアルタイムで連続したビデオ画像を記録することが出来るため、これによって従来のSLO、及び他のシステムでみられるようなデータ圧縮に起因する画像の変化がなくなるはずであるためかなり精密な画像を得ることが出来た。さらに分析を勧めるため、そのデジタル化された単一画像や連続画像をRodenstock Fotofinder画像データバンクやOphtha-Vision画像分析システムに転送し、まずは以上の一連の操作の技術を収得し、かつ短時間に施行できるかどうか試みた。そして、我々が今までに撮影し続けてきた約4000分の従来のアナログ画像を徹底的にデジタル画像化し、今後の解析に備え、かつ作動を開始した。実際にデジタル化された画像で解析する方法と目的は、まずは脈絡膜循環動態の詳細な把握と蛍光造影剤の漏出の程度を、ある輝度で表現するためにピクセルを用い数値化する。それにより、AMDもしくはそれ以外の黄斑疾患のもつ病態を画像的につかみ、病態の根本となっているRPEの障害の程度とそれに伴いう脈絡膜循環との関係を解析し、さらにCNVがどのような画像の時に発症するのかというメカニズムも画像的にいえるように過去のデータから解析した。また、このシステムが導入された後の患者の造影検査後はその都度デジタル化し、日々の通常の診療に重要な情報を与えるようにした。
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