研究概要 |
眼底観察用に用いるアルゴンレーザー、眼底を41度程度に暖めリポソームに内包した蛍光物質および光感受性物質を放川させるための温熱照準用のレーザー,リポソームから放川された光感受性物質を励起させラジカルを産生させるための治療用ダイオードレーザーの3波長レーザーを組み込んだ改良型細隙灯顕微鏡をトプコン社と協同開発した。細隙灯顕微鏡は臨床上でもレーザーを人眼に照射するときに使い、レーザーを組み込みやすいという利点がある。従来の細隙灯顕微鏡を改良し、眼底観察用、ターゲッティング用、温熱用の3種類の用途にわけたレーザーのタイミングをあわせるために、レーザー発振装置と細隙灯顕微鏡の間にリレーおよびコンピューターを挿入し、レーザーの発射の時期、時間、出力をコンピューター制御できるシステムを作成した。リポソームに関しては、41度で相転移するリン脂質であるDPPCを主材料にして、蛍光色素であるカルボキシフルオレセインを内包した温度感受性リポソームをfreeze & thaw法で作成することができた。またリン脂質としてDPPC, DPPG, DSPCを様々な割合で混合することにより、様々な温度で相転移するリポソームを作成することに成功した。カルボキシフルオレセインを内包した温度感受性リポソームをラット、ウサギおよびカニクイザルに投与後、上記の改良型細隙灯顕微鏡を用いて脈絡膜血管造影を実施した。様々な温度で相転移するリポソームを用いて、脈絡膜新生血管の経瞳孔的温熱療法における実際の生体温度のモニタリングに成功した。
|