眼内新生血管モデルを用いてACE阻害剤の抑制効果をみた。 1)C57bl/Jマウスの6週齢を全身麻酔下にクリプトンレーザーにて眼底に強度光凝固を行って、脈絡膜新生血管を誘導する。レーザー後毎日2週間ACE阻害剤であるペリンドプリル20mg/Kgとコントロールとして蒸留水を経口投与する。フルオレセインデキストランを左心室から注入し、眼球摘出して顕微鏡下に脈絡膜/強膜を単離してスライドグラス上にフラットマウントし、蛍光顕微鏡下に観察してできた脈絡膜新生血管の大きさ定量し、コントロールとペリンドプリル20mg/Kg投与群とで比較した。その結果小ペリンドプリル20mg/Kg投与群はコントロールに比べ、約45%の抑制効果をみた。 2)生後7日のC57bl/J新生児マウスを母親とともに75%の高濃度酸素に五日間暴露し、その後、大気酸素濃度に戻して五日間放置して低酸素網膜症を発生させる。大気酸素濃度に戻した日から五日間毎日ACE阻害剤であるペリンドプリル20mg/Kgとコントロールとして蒸留水を経口投与する。五日後に眼球摘出してすぐさま冷凍してクライオトームで凍結薄切切片を作成し、血管内皮細胞のマーカーで染色してできた網膜新生血管の面積を定量し、コントロールとペリンドプリル20mg/Kg投与群とで比較した。その結果、ペリンドプリル20mg/Kg投与群はコントロールに比べ、約80%の血管新生の抑制効果をみた。
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