妊娠19日目のSprague-Dawley ratにエーテル麻酔を施行し、開腹した。顕微鏡下に胎児の気管を結紮した後、母体の腹部を閉鎖した。妊娠22日目にふたたび母体を麻酔し、帝王切開にて胎児を出産させた。出産時に顕微鏡下で気管結紮糸を切断し気道閉塞を解除させた。 この動物モデルにおける胎児手術後の生存率と、手術成功率:合計70のラット胎児に手術を施行した。うち38頭のラット胎児は、術中に気管の損傷、多量の出血、胎盤薄離、子宮収縮による流産のため、手術を終了することなく、術中中絶した。残り32頭のラット胎児のうち、18頭は出産時に子宮内ですでに死亡しているのが発見された。14頭のラットが出産時に生存していた(術後生存率44%)。14頭の生存ラットのうち、6頭は気管結紮が不完全であった(中絶、死産症例を除く手術成功率25%)。気管結紮が完全であった8頭のうち、5頭は出生直後の気管結紮糸を切断時に気管を損傷、あるいは頸部の血管を損傷したことにより死亡した。2頭は気管結紮糸切断直後に原因不明の呼吸困難およびチアノーゼになり、間もなく死亡した。1頭のみが気管結紮糸切断後もoxygen chamber内で生息しており、生後12時間で肺を検体として採取した(検体採取可能率1.4%)。現在検体数を増やしているところである。 検体処理とデータ採取の状況:現在生後0日として採取された1検体は固定後、total lung volumeを測定した(425.98μl)。現在検体のcoronal section標本を作成中である。
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