樹状細胞(Dendritic cell以下DC)は高い抗原提示能を持ち、癌免疫における優れたtoolとなりうる。DCの活性化には、活性化CD4(+)T cellに一過性に発現するCD40ligand(CD40L)とDC細胞表面上のCD40とのinteractionが必須である。今回われわれはマウスCD40L遺伝子導入腫瘍株を作成し、抗腫瘍効果を検討した。まずマウスCD40Lをコードしたretrovirus vectorを作成し、マウス神経芽腫TBJにtransfectionした。遺伝子導入株はさらに抗CD40L抗体(MR1)を用いたFACsにて高発現株を選別しさらにtransfectantのmRNAからRT-PCRにてCD40Lの遺伝子レベルでの発現を確認した。次にin vivoにおける造腫瘍性を検討するため、syngeneic A/JまたはCB17skidマウス皮下に1x10^6個のTBJ-CD40LまたはTBJ-MOCKを注入し、経時的に腫瘍計を測定した。結果としてTBJ-CD40Lの増殖はsyngeneic mouseでは強く抑制されたが、skid mouseにおいてはTBJ-MOCKと同等に腫瘍塊を形成した。以上のことからCD40Lの腫瘍内の発現は癌免疫を誘導し遺伝子治療のcandidateとなりうることが示唆された。
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