in vitroにおけるDCの活性化: A/Jマウス骨髄細胞由来のDCとTBJ-CD40LまたはMOCKを24時間混合培養し、上清中のIL-12の産生をELISA plateにて定量したところ、以前の結果は再現できず、IL-12産生能はせいぜい1.5倍程度でありDCの活性化はCD40Lのみでは不十分であると思われる結果となった。最近、DCの活性化にはCD40LのみでなくIL-4の刺激が重要であると報告されていることから、われわれは担がんマウスの腫瘍内に浸潤したDC(抗CD11c抗体ビーズカラムにて樹立、以下TIDC)または正常健常人の末梢血由来のDCをon day6にfreshなIL-4存在下(10ng/ml)でCD40L遺伝子導入株と混合培養したところ、マウスにおいては約3倍、ヒトにおいては約1000倍のIL-12産生向上がみられ併用効果が観察された。またTIDCを接種(1x10^5/mouse)させた健常マウスは腫瘍親株を拒絶することから、TIDCは腫瘍抗原獲得能を用いることが示唆された(投稿準備中)。 in vivoにおける増殖抑制効果: 上記の結果から、当初計画していたCD40L遺伝子導入株とDCのFusion cellを用いたモデルは一時断念し単純にCD40Lのみの持つ抗腫瘍効果をin vivoにて観察した。Syngeneic A/JまたはCB17scidマウス皮下にTBJ-CD40LまたはTBJ-MOCKをinjection(1x10^6/mouse)し経時的に腫瘍計を測定したところTBJ-CD40Lの増殖はA/Jでは著しく抑えられたがscidマウスにおいてはまったく抑制されなかった。以上のことからCD40Lのもつ抗腫瘍効果はNKではなくTまたはBリンパ球が重要であることが示唆された。
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