研究概要 |
平成13年度におきましては、以下の研究を行いました。 1)米国ジェネンテック社より特別に分与されたトロンボポエチン(TPO)にてCMK細胞の分化誘導を行い、さらに米国ZYMOGENETICS社より特別に分与されたFACS解析可能なc-Mpl抗体にて、細胞表面上のTPO受容体(c-Mpl)発現の経時的変化をFACSにて解析し、巨核球分化成熟過程におけるTPO受容体数変化を解析いたしましたところ、TPO処理後3時間よりc-Mplのダウンレギュレーションが認められ、ダウンレギュレーションしたc-Mplは以降recoveryすることが確認されております。 今後さらに,キリンビール株式会社医薬探索研究所探索グループより特別に分与された,ウエスタンブロッテイング分析可能なc-Mpl抗体を用いてTPO分化誘導時におけるTPO受容体の発現量の定量的な解析を行ってまいりたいと考えております。 2)TPO分化誘導時におけるプロモーター活性,c-mpl mRNAおよびc-Mpl発現状況の経時的変化を解析検討いたしましたところ、c-mpl遺伝子プロモーター活性に関しましては、TPO処理後24時間で最大となり、以降減少し定常レベルに回復することが確認されました。 また、c-mpl mRNAの発現量はTPO処理後6時間より増大し,TPO処理後9時間で最大となることが確認されました。 3)次にTPO分化誘導時にPKC阻害剤処理した際のc-mpl遺伝子プロモーター活性の経時的変化の解析を行いましたところ、PKC阻害剤処理により、TPO分化誘導後のプロモーター活性に変化が認められなくなり、c-mpl遺伝子プロモーター活性のup-regulationには、PKCが重要な役割を果たす可能性が示唆されました。
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