1)細胞細胞間接着シグナルの分化への影響 細胞細胞間連絡gap junctionタンパク質であるconnexin43は、3T3-L1細胞がコンフルエントになった時と分化誘導初期に発現し、数日たつと発現していないことをwestern blottingで確認した。現在、分化段階におけるコネキシンの影響を検討するために、入手したwild typeのconnexin 43とdominant-negative connexin43を3T3-L1cellに導入する条件を検討中である。 2)細胞基質接着や細胞外シグナルの分化への影響 細胞基質接着や細胞外シグナルからの情報伝達にはMAP kinaseが関与しており、そのうちp42/p44MAP kinaseについてC/EBP betaへの影響を調べている。p42/p44 MAP kinaseの阻害剤であるPD98059によって、脂肪分化及びC/EBP alphaの発現誘導が早まること、C/EBP betaが低塩濃度で抽出されにくくなることがわかった。これは、PD98059がp42/p44 MAP kinaseの活性化を抑制したために、分化抑制的に働くC/EBP betaのリン酸化が起こらず、C/EBP betaの分化に関連した転写領域への結合が早まった結果、C/EBP alphaの発現誘導が早期に起こるようになったためではないかと考え、実験を進行中である。
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