研究概要 |
平成13年度研究計画に従い、本学歯学部附属病院に設置されている高速らせんX線CT装置(SIEMENS社製、SOM ATOM PLUS4)のテーブルに取り付け可能な頭部固定装置の設計・製作を行った。設計の段階で頭部を固定するイヤーロッドの至適位置、可動範囲を求めるため頭部ファントームを用いて撮影を行った。装置の強度を考慮してヘッドレストは固定式とし、頭部下面に弾力性のあるクッションを置き、前頭部およびオトガイを固定するバンドで基準平面を合わせる仕様とした。 1.当講座所蔵のファントームを上記頭部固定装置に固定し撮影を行った。位置づけはpalatal plane(ANS-PNS)が可及的にY軸方向に対して垂直になるように配慮した。最初にトポグラムを撮影後、palatal planeに平行に、鼻尖、前鼻棘を通る断層面を撮影断層面とした。撮影条件は臨床例に準じた。 2.撮影後のX線写真はフィルムディジタイザ(VIDAR社製、VXR-12)によって画像処理用コンピュータ(Apple社製,Power Macintosh G4)に画像データとして取り込み、画像解析ソフト(NIH Image)を使って各断層において解剖学的指標を設定し、左右のイヤーロッドを結んだ線をX軸、前鼻棘を通りX軸に直交する線をY軸とし、下顎頭内・外側極、前鼻棘、後鼻棘、イヤーロッド先端の距離、角度について計測を行った。計測の精度について検討するため、同一測定者が一定の期間をあけて2回の計測を行って、測定者の計測の再現性を求めた。ならびに、異なった測定者が同様の計測を行いその結果から測定者間変動を求めた。 3.観察者内、観察者間で各計測値に育意な差は認められなかったが、計測項目によっては値のばらつきを認めた。次年度はボランティアを対象とし、計測値に影響を与える要因について検討を行いたい。
|