根管貼薬剤については最近FC等のホルマリン系貼薬剤に代表されるように、その細胞毒性や発癌性などの危険性が指摘されている。その中で近年水酸化カルシウムを水で練ったペーストが有望視されている。臨床に於いては常にペースト状態であること事が望ましいが、その調整の難しさから広く応用されているには到っていない。又根管内で常に薬理作用である、アルカリ性を保つ為にペースト状である必要がある。そこで人抜去歯を使用し、4つの貼薬法(レンツロ、ファイル、ブローチ、アマルガムキャリア)を用い検討を行なった。又許可を得た患者の患歯を症例別に分類し、貼薬した時の根管内でのpH変化についてアンチンモン電極(先端0.40mm)を使用し、その推移を観察した。貼薬法については抜去歯を分類し、その到達度を試みたが、様々な形態の歯に順応するという点、又水酸化カルシウムの性状を変化させないという点でレンツロ、リーマーが優れているといえる。又症例別に於ける、臨床でのpHの変化ではやはり感染した病巣の大きな症例ではつまり慢性症状での根管のpH変化は緩慢であり除々に改善していくことが判明した。しかし症例別による変化もある程度はパターンがあるものの、同じ症病名の例でもその透過像、つまり進行の程度により治癒は大きく左右される事が分かった。今後は同じ病名であっても進行の程度別に分類しその治癒をpHの変化から読み取り又根管内で、歯周組織と水酸化カルシウムペーストが治癒していく中でどのような変化が根管内に観察されるのかを組織学的所見を行い考察する
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