研究概要 |
本研究は、レーザーを象牙質面に照射した場合、歯根膜由来線維芽細胞が付着する数や状態の相異を非照射象牙質と組織学的に比較するものである。さらにレーザー各種の相違を調べることにより、各レーザー特有の創傷治癒と機能的な組織再生の違いを知り、根尖切除術等への応用の有用性を検討することを目的としている。今年度はヒトのう蝕や歯周疾患のない新鮮抜去歯(臼歯)を入手し、抗生剤含有培養液中で実験開始まで4℃で保存した。その後、根中央部1/3の歯根膜を滅菌メスにて剔削して得られた歯根膜を10mmディッシュに静置し、DMEM-FBS中にて初代培養を行った。outgrowthした細胞を同様の培養で継代培養を行い、4〜5継代のものを実験に供した。歯は抜髄を通法に従って行い、根管拡大まで行った後、EXAKT製バンドソーにて歯軸に直角に2mm厚でスライスし象牙質ディスクを作製した。その後ダイヤモンドで切削したもの(ダイヤモンドFG204:松風)、切断面を仕上げ研磨したもの(ダイヤモンドFGF204:松風)の2群を設けた。その象牙質ディスクを24well plateに入れ、線維芽細胞を1×105/ml浮遊した溶液を上部から注いだ。その後週3回の培地交換を行い、1,3,7,14日の培養を行ったのち、10%中性緩衝ホルマリンにて固定し、そのスライスした歯根に付着した線維芽細胞数を顕微鏡にて測定観察した。これをコントロールとした上で、次年度はNd : YAGレーザーおよぴCO_2レーザーを象牙質面に照射した場合のものを比較検討する予定である。
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