恨尖牲歯周炎の発症および進展における内分泌ホルモン(カルシトニンおよび副甲状腺ホルモン)の影響を副甲状腺あるいは甲状腺を摘出したラットを用いて比較検討した。実験的根尖病変内の浸潤細胞およびX線による骨吸収量を正常ラットと比較検討した結呆、副甲状腺摘出および甲状腺摘出によるPTII分泌およびCT分泌抑制は、破骨細胞の形成を促進させ骨吸収を促進させる可能性のあることを示した。(1)副甲状腺摘出群及び甲状腺摘出におけるラット体重は、コントロール群と比較して有意な低体重を示し、術後3週でコントロール群は順調な体重増加を示したが、副甲状腺摘出群および甲状腺摘出群においては体重増加がわずかであり、コントロール群と比較して約1/2の増加量であった。(2)骨吸収面積は、術後1週では各実験群の骨吸収面積に有意差は認められなかったが、術後3週ではコントロール群と比較して副甲状腺摘出群および甲状腺摘出群で有意に骨吸収面積が増大した。(3)組織学的所見は、術後1週において根尖病変内に膿瘍形成が認められた。術後3週では各実験群において根尖部まで歯髄壊死が認められ、炎症性細胞の増加と病変の拡大が認められた。各実験群においてほぼ同様の所見を示した。(4)TRAP陽性細胞は、病変部辺縁の骨表層に沿って認められた。TRAP陽性細胞数は、術後1週において副甲状腺摘出群で有意に増加し、術後3週では副甲状腺摘出群および甲状腺摘出群で有意に増加した。また、1mm当たりのTRAP陽性細胞数密度については、術後1週および3週ともに各実験群で有意な変化は認められなかった。
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