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2002 年度 実績報告書

ヒト咬筋のエネルギー代謝と筋線維組成との関連性

研究課題

研究課題/領域番号 13771152
研究機関北海道大学

研究代表者

佐藤 華織  北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (40281828)

キーワード咬筋 / 筋線維組成 / ATPase染色 / ^<31>P-MRS
研究概要

本研究は,顎関節症患者に認められる咀嚼筋の疼痛の原因と病態を解明することを目的として,咬筋のエネルギー代謝状態と筋線維組成との関連性について検討してきた.平成14年度は平成13年度に染色条件を確立したミオシンATPase染色法と^<31>P-magnetic resonance spectroscopy(以下MRS)を用いて,筋線維組成分析とクレアチンリン酸(以下PCr)濃度分析を行った.
被験者は北海道大学歯学部附属病院を受診し,顎矯正手術を施行予定で咀嚼筋に疼痛を認めず,本研究についての同意が得られた顎変形症患者8名の14咬筋浅層である.
PCr濃度はエネルギー代謝分析である^<31>P-MRSの2D-CSI法により顎矯正手術直前に測定した.voxels sizeを10×20×30mm^3として咬筋浅層のPCr,α,β,γ-ATP,無機リン(Pi)の各々のスペクトルを得た後,エネルギー代謝状態のパラメータとしてPCrとβ-ATPの面積比(PCr/β-ATP比)を算出した.
筋線維組成分析は顎矯正手術中にMRSの測定領域より採取した約5×5×5mm^3の筋組織に対してミオシンATPase染色を施行した.筋線維をType I, IM, IIA, IIB, IICに分類し,各切片の各筋線維数/総筋線維数と,Type IとType IIの組成比であるType I/Type II比も算出し,PCr/β-ATP比とType I/Type II比および各筋線維組成率との関連性を分析し,以下の結果を得た.
1.筋線維組成は,四肢の筋肉には通常見られない中間型筋線維(Type IM線維やType IIC線維)を比較的多く含んだ広範囲な組成を示した.
2.Type I, Type IIA, Type IIB, Type IM, Type IICの各タイプの筋線維組成率とPCr/β-ATP比の間,およびType I/Type II比とPCr/β-ATP比との間にはいずれも有意な相関は認められなかった.
以上より,ヒト咬筋浅層におけるPCr濃度の大小は,酵素組織化学的分類による筋線維組成の違いだけでは説明できないことが示唆された.また,その原因の一つとして,咬筋が中間型筋線維を含んだ複雑な筋線維組成を有する点が考えられたことから,中間型筋線維の性質についてさらに詳細に分析する必要があることが示唆された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐藤華織: "ヒト咬筋のエネルギー代謝と筋線維組成の関連性の検討"北海道歯学雑誌. 23・2. 136-149 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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