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2001 年度 実績報告書

骨誘導能をもつシラン処理チタン材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13771163
研究種目

奨励研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

西村 正宏  広島大学, 歯学部, 助手 (00294570)

キーワードチタン / インプラント / 幹細胞 / 細胞付着 / 骨再生 / シラン処理 / 骨芽細胞
研究概要

今年度はチタンに対し、さまざまなシラン処理を行った。具体的には疎水性の違いによる検討として、親水的性質を持つ2-メトキシポリエチレンオキシプロピルトリメトキシシランと、疎水的性質をもつトリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチルトリエトキシシランをチタン表面に処理し、その表面の疎水性を検討した。その結果、チタン表面は処理したシランの性質に一致した疎水性を示した。しかしこれに対しラットの骨髄幹細胞を播種し、付着した細胞数を蛍光顕微鏡で観察した結果、有意な差は認められなかった。
そこで、次に化学構造の違いによる検討として、アミノ基を末端にもつガンマアミノプロピルトリエトキシシランで処理したものと、これにさらにカルボキシル基をもつグリオキシル酸をシッフベース反応により固定化するチタンを作成した。アミノ基とカルボキシル基が固定化されていることを確認するために、X線光電子分析装置(ESCA)による表面元素分析を行った。その結果,アミノ基処理チタンではカルボキシル基処理や対照のチタンと比べ,N元素の存在比率が3倍以上高かった.またカルボキシル基処理では未処理に比べ,2倍量のO-C=O成分が検出された。したがってシラン処理によりアミノ基,カルボキシル基がチタン表面に固定化されていることが確認された。
さらにこのチタンに対しラットの骨髄幹細胞を播種し、付着した細胞を定量化した。その結果アミノ基,カルボキシル基処理のチタンでは対照のチタンと比較して約2倍量の細胞が付着していた。この簡便なシラン処理は,アミノ基あるいはカルボキシル基をチタン表面に固定化し,対照と比較して骨髄幹細胞の付着を有意に増加させることから,医用チタンの新しい有益な表面処理であることが示唆されたので、名称「細胞付着用基板、及び当該基板の表面処理方法」として特許を出願した。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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