研究概要 |
試料の注入法にはPressure iinjectionとElectrophoretic injectionの2つの方法がある.Pressure injectionについては20,40,60pro/secの3条件、Electrophoretic injectionについては10,15,20秒の3条件について分子量マーカーを用いて検討した.Pressure injectionは20,60psi/secではピークの出現は認められず,40psi/secでは9つのピークが明確に出現した.Electroporetic injectionは10秒ではピークが明確に出現した.20秒でもピークは明確に分画されたが,ピークの高さは低かった.以上の結果よりPressure injectionでは40psi/sec,Electrophoretic injectionでは15秒の条件が良いことがわかった.両者の比較ではPressure injectionの40psi/secの方が分子量マーカーの2つから9つのピークが若干高かったので,試料の注入法はPressure injectionの40psi/secを採用することにした. 測定波長は200から320nmの波長範囲で10nmごとに同時に測定し,ピークの検出により至適測定波長を検討した.試料には分子量マーカーを用いたが,ベースラインが最も安定し,かつピークの検出感度が良好である波長は220nmであった. 混合唾液を未処理のまま試料とすることにしたが,粘性があるため,0.5μmのフィルターを通して濾過しても濾過しきれず,極々少量のサンプルしか採れず,ピークの出現をとらえることが困難であった.そこで種々比較検討した結果,濃縮方法では凍結乾燥する方法が唾液のピーク及びベースラインが安定し,鮮明なピークが検出されることが判明した.その方法で30歳代10名の混合唾液について泳動した結果,32のピークが認められ,主たるピークは約15前後出現した.
|