研究概要 |
実験は若干の計画の変更に迫られたが、概して予定通り進んでいると思われる。 1.目的遺伝子のサブクローニング: 私がヒト歯髄のcDNAから単離したhBMP2, hBMP4cDNAをpcDNA3にそれぞれ組み込み、それを大量培養した。 2.小動物皮下へのプラスミドの埋入: 精製プラスミドをキャリアーに直接滴下し凍結乾燥後、マウスの皮下に移植し、2, 4, 8週後屠殺し、軟X線写真的、組織学的評価を行った。尚キャリアーにはコラーゲンスポンジ、グラスウール、マウス胎盤を用いたが、望む結果は得られなかった。 3.初代培養細胞への遺伝子導入: マウス骨髄や臍帯血からの初代培養細胞に上記遺伝子の導入を試みたが、望む結果は得られなかった。 4.株細胞への遺伝子導入: 293細胞やMC3T3細胞などに種々の方法にて遺伝子導入を試みた結果、293細胞に恒常的な遺伝子の導入が可能であった。 5.遺伝子導入された細胞の骨形成能調査実験: hBMP-2cDNAを導入した293細胞を新種のコラーゲンスポンジ内にて三次元培養し、それをヌードマウス皮下に埋入したところ、良好な骨形成が観察された。この三次元培養の技術は未だ報告されていない新しい方法である。
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