研究概要 |
近年,萎縮した歯槽骨に対してdistraction osteogenesisが行なわれているが,主に垂直的な骨増生を目的として行われている.水平的な手法は未だ確立されておらず,基礎報告も少ない.今回,alveo-widerを用い水平的にdistractionを行い骨増生を行った場合と骨移植法との比較検討を行なう. オスの成犬ビーグル犬5頭を用いた.両側下顎小臼歯部を抜歯,頬側皮質骨を削合し,水平的萎縮モデルを作成した.手術は全頭全身麻酔下で行った.抜歯2か月後に,右側を実験側とし,頬側歯槽骨部に8×12mmのtransport segmentを形成し,alveo-widerを装着した.待機期間を7日間とし,0.4mm/day, total4.0mmの水平的延長を行なった.延長後,肉眼的には骨増生は良好であり,延長前2mmの幅径が約6〜7mmまで増大しており,それに伴い付着歯肉の獲得も得られている.1頭感染所見があり,早期に骨延長器を撤去したが,骨増生は得られている.今後,延長後8wでインプラントを1本埋入する.同時に左側は対照側とし,骨移植法を行い,インプラントを1本埋入する.インプラント埋入後8wで安楽死させ,試料を採取する.X線学的検討はCTで行い,骨延長部と骨移植部の比較検討を行う.また通法により非脱灰研磨標本を作成し,インプラントおよび骨延長部の組織学的な観察,骨接触率等について比較を行なう.
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