研究概要 |
現在,当教室で継代中の頭頚部扁平上皮癌由来の細胞株のうち,hTERT messageの多いもの(HNSCC 2;8543 copies),中程度のもの(HNSCC 3;1233 copies)そして少ないもの(HNSCC 6;182 copies)を選び出し,これら細胞株にAZTを3濃度に振り分け,AZT不含の対照を含め,1種類の細胞株ににつきAZTの濃度により4種類の培養条件を設定した.いずれの細胞もAZT濃度依存性に増殖能は減弱し,AZTは腫瘍細胞に対し非特異的な細胞毒性による増殖抑制活性を示した.特に高濃度(2mM)では腫瘍細胞の増殖率は非常に悪く,hTERTの活性のみならず他の細胞増殖に関する逆転写酵素の働きも阻害することが示された.また,hTERTのcopy数の少ないHNSCC 6においては低濃度AZTにおいても他の2株と比べ増殖活性が低下した.
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