研究概要 |
平成13年度 顎関節症における臨床病態とフリーラジカル発生メカニズムの解明。 近年,顎関節症の病態把握として顎関節滑液の研究が行われているが,関節はそれ自体で,破壊そして再構成をくり返しその臨床症状と滑液の生化学的分析の判断が極めて難しい部分であり,必ず滑液採取のために関節腔内の穿刺が必要とされる。そこで,われわれは関節穿刺による疼痛刺激や恐怖心がなく,関節周囲の活性酸素分布画像のイメージング解析することにより関節内の生化学的情報を引き出し患者個人の関節状態を分かりやすく瞬時に計測し日々の臨床に役立てることを最大の目的し,最先端の技術としてin vivo ESRを用い実験動物モデル(ラット)に同種のCytokineであるRecombinant Tumor Necrosis Factor (TNF-alpha)およびRecombinant Intedeukin-1 (IL1-beta),Controlとして同量の生理食塩水を各ラットの片側の関節腔内に注射し,顎関節および関節周囲に炎症を誘発させ,L-band ESR (in vivo ESR)により顎関節を含む頭部に産生されるフリーラジカルの測定を行った。 測定方法としてニトロキシドラジカル(CPROXYL)をラット尾静脈に注射し,生体内で産生されたフリーラジカル量をCPROXYLの減衰により評価を行った。測定は,薬剤注射後,直ちに経時的に行いControlと比較を行った。現時点での結果として、急性期での反応より慢性的な経過を観る過程でよりControlと比較が可能であり,炎症を誘発するCytokineとしては単体より複合したCytokineでの炎症がより誘発されフリーラジカルの産生量が増加するのではないかと考えられた。 今後、さらに経時的変化,ラジカルスカベンジャーの投与,異常な咬合力との関係について,さらに検索を行う予定。
|