平成13年度奨励研究(A)科学研究費(13771242)の助成を受け、舌扁平上皮癌細胞株によるリンパ管新生とリンパ節転移に関する研究を行っている。リンパ節転移の成立には、腫瘍細胞のリンパ管内への侵入および腫瘍組織内でのリンパ管新生という過程を経て成立するものと考えられる。腫瘍細胞のリンパ管内への侵入については、Microporeフィルターを用いたケモタキシスの検討により、高転移株については高い運動能を有することが判明した。現在、ラットリンパ管内皮を培養し、FITC-dextranの透過性を利用し内皮細胞間の開裂について検討を行っている。 腫瘍組織内でのリンパ管新生については、VEGF-C免疫染色により、高転移株での発現が高い傾向が認められるが、現在検討中である。また現在、ウエスタンブロッドおよびPCR法によるVEGF-Cの発現について検討を行っている。さらにVEGFの受容体であるflt-4の発現についてもあわせて検討中である。
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