• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

分子認識能を有する環状芳香族アミドの合成

研究課題

研究課題/領域番号 13771336
研究機関北里大学

研究代表者

東屋 功  北里大学, 薬学部, 講師 (50276755)

キーワードtertiary amide / cyclic amide / amide coupling / molecular recognition / dynamic NMR / dichlorotriphenylphosphorane / cavity / coupling reagent
研究概要

申請者は、これまでに芳香族アミド類のN-メチル化によるZ体からE体への立体転換を用いることにより、椀型の環状芳香族アミドが容易に得られることを見いだした。例として、最も単純なモノマーであるm-(N-メチルアミノ)安息香酸を四塩化ケイ素を用いて縮合すると、一段階の反応で環状三量体が高い収率で得られる。この環状三量体の分子は、結晶中において(疑似)C_3対称のカリックス型の構造(syn型)をとっており、また溶液中では結晶構造中に見られたC_3対称のコンフォメーションで優先的に存在し、一つのベンゼン環が反転したコンフォメーション(anti型)との平衡にあった。本研究では、この基本骨格である環状三量体に対し官能基を導入することにより、様々なキャビティーをデザイン、合成し、その分子認識能について調べることを目的とした。まず始めに、m-(N-メチルアミノ)安息香酸を基質とし、縮合剤(ルイス酸、脱水剤)、溶媒、反応温度、基質濃度によって、生成する環状オリゴマーの収率、重合度がどのような影響を受けるかを調べたところ、ジクロロトリフェニルフォスフォランを用いクロロホルム中還流することにより収率よく環化体が得られることを見いだした。また、溶媒を1,1,2,2-テトラクロロエタンとし、反応温度を120℃とすることで、より高い比率、収率で環化三量体が得られることがわかった。そこで、モノマーとして官能基を持つ種々の置換N-メチルアミノ安息香酸を合成し、先に最適化された条件にて縮合を行い、様々な官能基を持つ環状オリゴマーを合成を合成した。次に結晶として得られた化合物についてX線結晶構造解析を行ったところ、無置換の環状三量体の場合と同様、その分子は(疑似)C_3対称のsyn型コンフォメーションで存在していた。また合成を行ったすべての環状オリゴマーについて、DNMR(NMRの温度変化測定)を行ったところ、溶液中においてはやはり、無置換の場合と同様にsyn型とanti型のコンフォマーション間の速い平衡で存在していた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Isao Azumaya: "Simple and convenient synthesis of tertiary benzanilides using dichlorotriphenylphosphorane"Tetrahedron. 59(in press). (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi