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2001 年度 実績報告書

ランタノイドトリフラートを触媒として用いたベンジル型アルコールの直接置換反応

研究課題

研究課題/領域番号 13771342
研究種目

奨励研究(A)

研究機関明治薬科大学

研究代表者

野地 匡裕  明治薬科大学, 薬学部, 助手 (80312073)

キーワードランタノイドトリフラート / ベンジル型アルコール / ベンジル型カルボカチオン / エナンチオ面選択的反応 / 優先晶出
研究概要

カチオン生成側のベンジル型アルコールに1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフトール(1)を、キラル求核試薬にl-メントールを用い検討を行った。
ニトロメタン中1mol%のSc(OTf)_3を用いて反応を行い、ベンジル位がRとSのジアステレオマー、(R)-2と(S)-2を41%de(Rが優先)、合計収率48%で得た。条件最適化の結果、ろ取の操作のみで(R)-2を収率60%、100%deで得ることが出来た。
この反応機構について以下の検討を行った。
(R)-2(100%de)及び(R)-2(16%de)は両サンプルともSc(OTf)_3存在下43%de(Rが優先)に収束した。これにより(R)-2と(S)-2の間のカチオンを介した平衡が示唆された。
2の生成反応の経時変化を分析した。反応初期にはR/Sの比率が1/1で、時間の経過とともに比率は上昇した。
エタノール50等量存在下、2(R/Sの比率が1.4/1)の分解反応の経時変化を分析した。エタノ-ルはカチオンからの2の生成を抑えるために加えた。その結果(R)-2および(R)-2は疑1次反応での分解と良い相関を示し、(S)-2の方が(R)-2より分解速度が大きいことが明らかとなった。
以上の検討から溶液中の比率が43%deになる理由は、(R)-2と(S)-2の分解速度の差によることが明らかとなった。これに加え結晶性の違いから(R)-2が高い選択性で得られたと考えられる。
上記の結果はカチオンへの面選択的反応ではなく、異性化優先晶出であることが明らかとなった。しかし、結合の切断と形成を伴う形式の報告例は少なく、カチオンを介した平衡の利用では初めての例である。他の基質への応用が期待される。
一方、ラセミアルコールから生成したカチオンに対する、不斉補助基を持つフラン誘導体の反応において、現在までに19%deの面選択性がみられている。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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