研究概要 |
本研究の目的は、(1)2-(アレニル)インドールをジエンとして設定し、ジエノフィルに種々のアルキン類あるいはアルケン類を用い、[4+2]環化反応を行うことで多置換カルバゾール骨格の新規合成法の開発を行う。(2)ペリ環状反応[(1)の手法あるいは当研究室で推進中の熱電子環状反応]を活用し、一連の抗酸化作用を持つカルバゾールアルカロイドの全合成を行い、抗酸化剤としてのリード化合物探索を行う。 平成13年度は、以下の3項目を実施した。 (1)2-(アレニル)インドールをジエンとした[4+2]環化反応の条件検討を実施し、カルバゾール骨格合成法の確立を目指した。その結果、本反応条件(Lewis酸を使用)において、基質であるジエンが不安定であるため現段階では目的とするカルバゾール骨格合成を確立するに至っていない。基質となるジエンの置換基等を変更し検討中である。 (2)別ルートとして当研究室で開発したアレンを含む共役ヘキサトリエン型熱電子環状反応を鍵反応として利用する方法にて、標的化合物として設定しているneocarazostatin Bの不斉全合成を実施した。現在天然物の骨格合成および酵素を利用したエステル交換反応により本基質の1位置換基上にあるキラルアルコール部の合成法は確立し、最終ステップを検討している段階である。 (3)次年度全合成を実施する予定のepocarbazoline類およびcarbazomadurin類の出発原料となる4,7-ジ置換インドールの合成ルートの開発を検討した。その結果、4位のヒドロキシメチル基導入の手がかりとなる4-ブロモ-7-メトキシインドール体を合成することができた。
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