これまでに予試験的に作製したクーロメトリックフローセルを用いて、カテコールアミンとそれらの3-O-メチル代謝物の高感度かつ高選択的な同時分析系を構築した。作製したフローセルは、内径が0.5mmと細く、セミミクロカラムを用いた場合にも、カラム外拡散を最小限に抑えることが可能となった。生体成分の分析においても、100サンプル以上の分析が可能であった。これらの結果から、開発したクーロメトリックフローセルが、再現性、耐久性ともに優れたものであることが明らかになった。この分析系を用い、これまで不可能であったマウス血漿中カテコールアミン(ノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン)とそれらの3-O-メチル代謝物(ノルメタネフリン、メタネフリン、3-メトキシチラミン)の定量が可能となった。必要血漿量は、20μlであり、薬物投与前後などのカテコールアミン類の変動を捉えることも可能となった。 次に、開発したフローセルを、カテコールアミンを基質としたCatechol-O-methyltransferase(COMT)活性測定に応用した。HPLC及びFIA(Flow-injection analysis)双方のシステムを開発することが可能であった。
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