研究概要 |
HIVプロテアーゼの発現・精製 大腸菌発現系BL21(DE3)pLysSを用いてHIV-1プロテアーゼを発現し,不溶性画分をDE-52カラムで粗精製後,refoldingを行って試料を調製した.精製後の試料に関してCDスペクトルを測定したところ,標品とは異なるコンフォメーションを有していたため,発現・精製法やrefoldingに関する条件検討を行っている.また他の系HMS174(DE3)pLysS等でも発現を試みた. HIVプロテアーゼの変性実験(X線溶液散乱測定) 上記により調製した試料,およびOklahoma Medical Foundation ResearchのKim博士より供与頂いたHIV-1プロテアーゼを用いて,種々のpHで,CDスペクトル,およびX線溶液散乱の測定を行った.CD測定の結果,pH4〜5付近でβシートに富み,中性以上では変性状態のスペクトルが得られた.一方,X線溶液散乱データから慣性半径や原点散乱強度を求めたところ,分子構造から予想される値よりも大きく,測定試料中に,会合体の存在していたことが示唆された.X線溶液散乱では高濃度(10mg/ml以上)での測定が要求されるので,現在最適の測定条件や溶媒の選択の検討を行っている.なお,X線溶液散乱測定は,文部科学省高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設にてCCD型二次元X線検出器を用いて行った.
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