• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

肝臓および骨格筋におけるアミノ酸輸送担体システムAのホルモンによる発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 13771365
研究機関北海道大学

研究代表者

菅原 満  北海道大学, 医学部附属病院, 助教授 (60332467)

キーワードアミノ酸トランスポータ / システムA / 活性制御 / ホルモン / インスリン / 骨格筋 / 中性アミノ酸
研究概要

【目的】肝臓や骨格筋において中性アミノ酸輸送に重要な働きを持つ輸送担体システムAは従来よりその輸送活性がホルモンの影響を受けることが報告されてきたが,その実体は明らかにされていなかった.申請者らは最近,本輸送担体蛋白のcDNAのクローニングに成功したことから,今後,分子生物学的,蛋白化学的解析が可能となることが期待できる.本研究ではラット骨格筋由来のL6細胞を用いてシステムAの輸送活性を評価し,インスリンによる輸送活性の変化の機構を明らかにすることを目的とした.
【方法】システムAの活性評価は特異的基質であるα-Methylaminoisobutyric acid(MeAIB)の取り込みにより評価した.システムAmRNA発現量はRT-PCR法を用いて評価した.
【結果】L6細胞へのMeAIBの取り込み速度はインスリン処理により増大した.そこで,種々の濃度におけるMeAIB取り込み速度を測定し,速度論的パラメーターを算出したところ,インスリン処理により最大輸送活性(Vmax)のみが増大し,親和性(Km)には変化は認められなかった。そこで,クロロキン,シクロヘキシミドおよびアクチノマイシンDを阻害剤として用い,インスリンによる取り込み増大作用に与える影響を検討した.その結果,いずれの阻害剤もインスリンによるMeAIBの取り込み増大効果を抑制した.また,インスリン処理,未処理の細胞から抽出したtotal RNAを用いてRT-PCRの手法によりシステムAのmRNA量を比較したところ,インスリン処理群では未処理群に比べて1.64倍の増大が認められた.これらの結果より,システムAアミノ酸トランスポーターのインスリンによる活性増大の機構として,mRNA増大に伴うトランスポーター蛋白質の合成促進と細胞内プールから形質膜へのトランスロケーションが関与していることが示唆された.

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi